2011年12月8日、英国のビジネス・イノベーション・技能省は、「成長のためのイノベーション・研究戦略」(Innovation and research strategy for growth)を発表しました。 この成長戦略は、中小企業に対する約100億円の支援など、幾つかの政策をパッケージ化したものです。
 この中で、エネルギー・ハーベスティングが、優先投資対象となる新技術のひとつに選定されました。 新技術に投資して事業化を促進することは、重要な成長戦略です。 しかし、英国は、全ての新技術に投資するリソースも能力もありません。 そこで、もっとも有望な新技術にプライオリティをつけることが大切です。 民間企業、技術戦略委員会、研究委員会、公的研究機関、大学などの専門家が、以下のような評価基準で様々な新技術を評価しました。 ・グローバルな潜在市場規模と成長率(年1000億ポンド−約1.2兆円−以上) ・多くの経済部門にまたがる様々なアプリケーションン(4つ以上) ・技術開発のための研究基盤能力(発表論文数、進行中の研究プロジェクト数) ・海外競合企業と比較して、英国企業とサプライチェーンの数と強さ、技術を採用し開発する能力 ・知的財産(IP)の獲得・保護能力
この評価の結果、以下の4つの技術が優先的な投資対象技術として選定されました。 ・合成生物学 ・省エネコンピューティング ・エネルギー・ハーベスティング ・グラフェン
この成長戦略の具体的な進め方については、追って技術戦略委員会より発表される予定です。
欧州では、エネルギー・ハーベスティング技術に対して、EUレベルでの研究開発支援に加えて、この英国のように国レベルでも多くの政策的支援が行われています。 日本との差は大きいです。
情報源:WBB最新情報 NTTデータ シニアアナリスト 竹内敬治
http://wirelessbroadband.seesaa.net/article/239774669.html
参考情報: £75 million for SMEs amongst incentives for businesses to grow through innovation (2011年12月8日、英国 技術戦略委員会プレスリリース) Innovation and research strategy for growth (2011年12月、英国ビジネス・イノベーション・技能省)
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